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 与えられる幸せ、与える幸せ


見えないものがある。

友達――

世界――

そして、光――

自分の目は何も映しはしないけれど。

ユズハは…。

  ◇


生まれたときから、同じ世界を見つめていました。

どこまでもどこまでも続く漆黒の世界。

光の差し込まない闇の世界。

自分はどうして目が見えないのだろう。

そんなことを考える日々もありました。

身体も弱いし、他人に迷惑をかけてばかり…。

それでも、お兄さまやまわりの方々は優しくしてくれます。

幸せを、与えてくれます。

――ユズハ、大丈夫か?

――ほらユズハ。これ、町で買ってきたんだ。

けれど、優しくしてくれることが、紡がれる言葉が…。

胸に刺さる。

優しくされる度に、自分はまわりに迷惑をかけている。

誰かの負担になっている。

そう思うと、涙が出ました。


   ◇


死んでしまえば楽になれるのかもしれない。

そう考え始めたのは、最近のことではありません。

ずっと昔から、誰かに優しくされる度にそう思っていました。

けれど、やっぱり怖い。

死ぬことは、発作の時よりも辛いのでしょうか。

そして、お兄さまは今よりもっと辛い思いをなさるのでしょうか。

それでも…。

――それでもお兄さまの負担が軽くなるのなら、ユズハは…。


そして、あの方と出会いました。

とても不思議な方です。

知らないことをたくさん知っていて、話をしていてとても暖かな気持ちになるのです。

また、逢いたい。

誰かにそんな気持ちを抱いたのは初めてでした。


  ◇


それからしばらくしてから、アルちゃんたちと出会い、初めて「ともだち」が出来ました。

誰かに必要とされること。誰かのために生きること。

そんな些細なことに、嬉しいと感じました。

――死にたくないと思いました。


その頃からでしょうか。

与えられる幸せだけでなく、誰かにも幸せを与えたいと感じたのは。

自分が生きている間にそれが叶えばどんなに嬉しいことでしょう。

そして、それを感じてくれる方があの方だったら…。

ユズハは…、幸せです。



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