|
…………しあわせ。
ユズハはいま……しあわせ…
……そう……しあわせ……
『光』
〜ユズハ〜
あれから……
親しい人が幾人か、『家』を離れられました…
ウルトリィさまは賢大僧正としてのお役目のために国へ戻られ…
トウカさまとカルラさまは旅に出られると…
エルルゥさまはヤマユラの集落に新しい村を作る、と
アルちゃんを連れて帰られました……
……寂しくはなりましたが、でも、ユズハは、しあわせです…
カミュちゃんは…國師代理として残りました。
以前ほどには自由ではなくなったようでしたが、
それでもよく話をしに来ていただけます……
アルちゃんも、ムックルさんにのってよく遊びに来ていただけますし、
エルルゥさまも、定期的に診察に来てくれます…
それに、お兄様も、いてくれます……
ユズハは…しあわせです…
赤ちゃんが…できていることを知らされたのは、いつでしたでしょうか……
あれからずいぶん経ちました…
知らされたときは嬉しくて…嬉しくて、泣いてしまいました…
少しづつ大きくなっていくお腹が…
『わたしのしあわせが大きくなっているのだ』と、お兄様は言いました……
だからそのしあわせを、しっかりとその手で抱くのだ、と。
『赤ちゃんを産むことに耐えられないだろう』という話を、
誰かがしているのを聞きました……
それから考えると、やはり、
あの子を産んで、この手に抱けたことは、
奇跡の様な幸せの中にあったのだと思います……
ユズハは、しあわせです……
ユズハの望みは、叶ったのですから……
こうして、光になることも…
あなたをこうして…見守ることも…
だから……だから…
あなたは戻ってきてください。
ユズハをしあわせの中にいさせてくれた、
大切な…大切な皆さんに…
このしあわせを返したいのです…
道はユズハが照らしましょう…
月の光がささなくても…
星の光が導きましょう…
いつかあなたが聞かせてくれた…
あの、おはなしの、二人のように……
ハクオロさま…
「…っ……こ…ここ…は…?」
…………
ユズハは、いけないこです……
あんなにしあわせだったのに……
もう十分だったはずなのに……
こんなことを思ってしまうのですから……
エルルゥさまが……
うらやましい…………
|