……エルルゥさんと抱き合う人。
それを見たのはアルちゃん達の村でだった。
私は一人、遠くからそれを見つめる…
そう、その相手は……
「……お…おじさま…」
『心鏡』
〜カミュ〜
……信じられない。
でも、あれは彼だ。
仮面はもうかぶっていないけれど。
間違いなく、あれは彼だ。
「おじさま……帰ってきたんだ…」
あ、アルちゃんがとびついた。
…………驚いてる、驚いてる。
「…おじ…さまぁ」
涙がこぼれる…
だめ、とめられない…
「おじさま…おじさま…おじさま…」
行きたい、あそこに……
いますぐ、彼のところに……
「……………っ」
ふ、と出しかけた足が止まる。
「……っ…邪魔しちゃ…駄目だよね…」
どうして?
「アルちゃんの『おとうさん』だもんね。
…………行っちゃ、駄目だよね。」
なんで?
「…そうだ、お姉さまにも報せないと…だから…」
だめ……なんで後ろをむくの?
「だって……だって……」
……それで、いいの?
「…うん。いいの…カミュは、あとで、いいの…」
うそ。
それは、うそ。
いますぐ、会いたいのに。
走って、抱きつきたいのに。
その胸に、泣きつきたいのに。
遠慮してる……何故?
「だって……アルちゃんの…」
それも、うそ。
理由はもっと別。
……迷惑、かけたから?
…封印されたのが、自分のせいだから?
自分がいなくならなければ……
だから、駄目なの?
「…………」
……血を、もとめてしまうから?…
だから……こわいの?
「…渇くの…すごく…渇いてたの…
おじさまの血じゃないと駄目なの……
気が、狂いそうになるの…」
…………
「……迷惑…だよね……嫌われ…ちゃうよね…
だから……だから……」
そんなこと…ないよ…
ほら…
「カミュっ!!」
ね?
「っ!!……おじさま……」
あ……笑ってる……
笑いかけてくれてる……
……手を、ふってくれてる……
なにを……なにを悩んでたんだろう、私は。
行けばいい。
思いっきり抱きしめればいい。
思いっきり、泣きつけばいい。
受け止めてくれる。
…………彼なら、絶対。
「おじさまぁっっ!!」
「……カミュっ!!」
「……ありがとう…」
「…?なにか言ったかい、カミュ。」
「ううん、なんでもないよ…おかえりなさい、おじさま」
「……ん。ただいま、カミュ」
「…おかえりなさい…」
……おかえりなさい…お父様……
ありがとう、もう一人の私。
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