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ササンテ劇場



−某年某月某日 ケナシコウルペ城内−

インカラ皇は昼間から、政務そっちのけで酒を飲んで、居眠りをしていた。
そこに弟のササンテが到着したとの連絡があり、あわてて姿勢を正す。


ササンテ「にゃぷ、兄上様にはご機嫌うるわしゅうにゃも。」

インカラ「ぶはァ。ササンテか。朕は忙しいにゃもが、どうしたにゃもよ。」

ササンテ「にゃぷ、にゃぷぷ、実は痔がひどくて痛くてたまらないにゃも、それで、でりゃーこまってるにゃも。」

インカラ「ぶはァ。この前、薬師を紹介してやったにゃも。それはどうしたにゃも。」

ササンテ「にゃぷぷ、あいつはヤマユラのトゥスクルでないと治せないなんていうもんで、用済みにゃも。虫ケラの分際でワシを愚弄した
罪で地下牢に入れてるにゃも。」

インカラ「ぶはァ。しょーがないにゃも。おみゃあはケナシコウルペ随一の豪の者にゃも。体を大事にするにゃも。ところで、ヤマユラの
トゥスクル・・・?それは誰にゃも。」

ササンテ「にゃぷぷぷ、山奥の田舎の集落にすんでるガンコな死に損ないにゃも。これが頭が堅すぎてこっちの言うことをなかなか聞かな
いにゃも。」

インカラ「ぶはァ。そんなことでいちいち朕の気をわずらわせるでないにゃも。朕の兵を貸してやるからなんとかするにゃも。」


ここで侍従が入ってくる。

 − 「失礼致します。陛下、お髪のお手入れの時間でございます。」


インカラ「ぶはァ。そうか。朕は大事な用事があるにゃも。ササンテ。おみゃあは朕の弟にゃも。それぐらい自分でしっかりするにゃもよ。」

ササンテ「にゃぷ、にゃぷぷ。そうにゃも。ヌワンギに案内させて薬を盗みだすにゃも。あいつらの驚く顔が目に浮かぶにゃも。にゃぷぷ
ぷぷぷふ。」

インカラ「ぶはァ。ヌワンギか。あいつは朕の言うことを良く聞くかわいいヤツにゃも。・・・・・ちょっとまつにゃも。育毛剤もあった
     ら絶対持ってくるにゃも。そんな腕のいい薬師だったらさずかし薬も効くに違いないにゃも。」

ササンテ「にゃぷぷ、わかりましたにゃも。兄上様の為に絶対持ってくるにゃも。」

インカラ「ぶはァ。ではたのんだにゃも。ササンテ。」

ササンテ「ぷヒ、ぷヒ。おまかせにゃも。ぷヒヒヒヒヒヒヒヒヒ。」



 − こうしてケナシコウルペのささやかな陰謀の一日がまた過ぎていくのであった・・・・・。


− PS. 密談後、静まりかえった庭の一角から、弓を担いだ1つの影が立ち去っていったことをこの2人は知る由もなかった。
     それが双子のうちどちらであるかは、もはや作者にも区別はつかない。


   

−5日後 ササンテの部屋 −


ヌワンギ「親父ーっ! 薬とってきたぜーっ。」

ササンテ「にゃぷぷぷ。さすがヌワンギ。よくやったにゃも。」

ヌワンギ「親父。約束どおり新しい馬(ウォプタル)くれよ。馬。」

ササンテ「にゃぷ。あわてるなにゃも。まず薬を塗ってみるにゃも。 ・・・・いっぱいあるにゃもが、どれが痔の薬にゃも。」

ヌワンギ「あ?オレにゃわからねーよ親父。 適当に塗ればどれか効くんじゃねーの? さすがに毒は入ってないだろーぜ。」

ササンテ「にゃぷぷぷ。さすがヌワンギ。そのとおりにゃも。やっぱりおまえはたいしたヤツにゃも。」

ヌワンギ「へへへ。じゃあ親父、馬を2頭たのむぜ。」

ササンテ「にゃぷぷぷ。わかったにゃも。じゃー薬を塗ってくるから待ってるにゃも。・・・この黄色のがよさそうにゃも。」



− 5分後、奥の方からなにやらササンテの悲鳴が聞こえるので行ってみる。



ササンテ「ぶヒ−っ!ぶヒ−っ! 熱い!熱いにゃもー。なんとかするにゃもー。」

ヌワンギ「なんてこった。おい親父。とりあえず桶に水を汲んできたからこれに尻を入れな。」

ササンテ「ぶヒ−。ぶヒ−。なんとか落ち着いたにゃもー。ヌワンギ!お前の言うとおりにしたらひどい目にあったにゃも。どうしてくれ
     るにゃも。」

ヌワンギ「オレじゃねーって。薬を作ったのはトゥスクルのばばあだぜ。」

ササンテ「ぷヒっ。おにょれ死に損ないめ。このうらみ、いつか晴らしてやるにゃも。

ヌワンギ「とりあえず地下牢から薬師をつれてきたから、どれが痔の薬か鑑定させようぜ。」

ササンテ「にゃぷぷぷ。さすがヌワンギ。わが息子にゃも。ワシに似て頭がキレるにゃも。」


− 10分後 −



薬師「・・・・・・・・・・・・・ササンテ様が今塗ったのは、カラシでございます。他の壷も薬が入っている様子はありません。」


ササンテ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ヌワンギ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



ササンテ「ぷヒっ。ヌワンギーっ。これはどーいうことにゃも? にゃも?」

ヌワンギ「・・・い、いやー・・・おかしいぜ。オレは薬置き場から持ってきたはずだから、こんなはずはねえ。
     ・・・いや。こいつが悪ーんだ。ぜったいそうだ。」

薬師「そっそんな。私に押し付けられましても・・・・・。」

ヌワンギ「うるせえ。痛い目にあいたくなかったら、親父の痔を死ぬ気で直しやがれーっ。」

薬師「・・・・しっしかし・・・、トゥスクル様の薬があったほうが・・・・・。」

ヌワンギ「やかましい。そこを何とかするのがてめえの仕事だろーがー。死にてーかー?」

薬師「・・・・。はっはい−。かしこまりました。やらせていただきます。」

     ・
     ・
     ・

ヌワンギ「・・・読めたぜ親父ー。あのばばあ、親父が薬を持っていくと分かって入れ替えたに違いねえ。」

ササンテ「ぷヒっ。そうにゃも? 返す返すも口惜しいにゃも。この偉大なる藩主様を何だと思ってるにゃも。絶対後悔させてやるにゃも。」
ヌワンギ「そうだぜ、親父が馬鹿にされてて、黙ってられっかよ。よし、明日からちょくちょくオレが足を運んであの村のことをいろいろ
     調べてやるぜ。」

ササンテ「にゃぷぷぷ。おお、ヌワンギ。さすがワシの息子にゃも。頼りになるにゃも。おまえに全部まかせるにゃも。」

ヌワンギ「へへへ。じゃあ親父、馬を3頭たのむぜ。」

ササンテ「にゃぷ。わかったにゃも。必ずあの村の連中に一泡ふかせるにゃも。」

ヌワンギ「へっ、まかせなって。・・・・・待ってろよエルルゥ。絶対にお前をおれのものにするぜーっ。」



− こうして平和なヤマユラは、住人の預かり知らぬところで徐々に領主の恨みを買っていったのであった。−

  



− 後日 ヤマユラにて −

− ヌワンギがつかんだネタを元に、村に押し入るササンテの兵たち −


兵士「我らが偉大なる藩主ササンテ様が、直々にお話になられる。頭を下げよ。」

ササンテ「ぷふー。」
ササンテ「ぷん、死に損ないが、まだ生きとったにゃも。」

トゥスクル「生憎じゃったね。前にコソコソと持っていった痔の薬は効いたのかい。」

ササンテ「ぬうう〜・・・。」
(薬じゃなくてカラシを持っていかせたくせに、あんなことを言うとは、でりゃー根性悪いにゃも。 ゆるせないにゃも。それに何で痔のことを知ってるにゃも? おかしいにゃも? どうしてにゃも? わからないにゃも? にゃも? にゃも? にゃも?・・・・・・・・・
まあいいにゃも。とりあえず、祖と鉄を絞れるだけ搾り取ってやるにゃも。最後に勝つのはこの偉大なる藩主のワシにゃも。にゃぷぷぷー。)


− 翌日 −


ヌワンギ「親父ーっ! 大変だ。昨日もってきた祖が全部蔵から盗まれたぞーっ。」

ササンテ「にゃもーっ?だれにゃも?探す、探すにゃもーっ! 昨日のワシの苦労を全てパーにする気かにゃも。」

ヌワンギ「それがよー親父。誰がやったのか手がかりがまったくねーんだよ。」

ササンテ「にゃも。あの死に損ないが絡んでるに決まってるにゃも。 ヌワンギは早く行って調べるにゃも。」

ヌワンギ「あ? あそこの村でそんなことのできる奴なんていねーよ。そんな訳ねーせ゜。」

ササンテ「にゃも。いいから行って調べるにゃも。ワシの勘を信じるにゃも。」

ヌワンギ「・・・へいへい、・・わかったよ。・・んじゃちょっくら行ってくるかな。・・・・・(ばかばかしい。やってらんねーぜ。)」


− ということで、ヌワンギは新しい馬に乗って遊びに行ってしまった。ササンテ様の勘が一応当たっていたのは、周知の事実であるが、
実際ヌワンギがヤマユラに行ったのは、数日後だったので、オボロ達が犯人だったということは、ばれることはなかった。 
しかし、代わりに新たな悲劇が起きてしまうとは、誰が予想できただろうか。・・・しかしそれは、また別の話ということで・・・−



 ササンテ劇場 完



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