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遅めの夢幻夢想です。
抱腹絶倒の(あきれてものが言えないの間違いでは…)「パロられるもの」の第8段です。
今回の講釈は「ハンス・クリスチャン・アンデルセン」の作品からで、
「マッチ売りの少女」のパロディ、
「マッチ売りの少女られるもの」をお届けします。

では、どうぞ。

















パロられるもの8 マッチ売りの少女られるもの





マッチ売りの少女られるもの

配役
   少女 … ウルトリィ
   浮浪者 … ササンテ
   少女のおばあさん … トゥスクル
   エキストラ … その他の方々
   ナレーション … サクヤ




マッチ売りの少女られるもの-1-


 ひどく寒い日でした。
雪も降っており、すっかり暗くなり、もう夜 ―― 今年最後の夜でした。
 この寒さと暗闇の中、1人の哀れな少女が道を歩いておりました。
流れる蜂蜜のような金色の髪の毛をして、羽を持った少女です。
頭に何もかぶらず、足に何も履いていません。家を出るときには靴を履いていました。
ええ、確かに履いていたんです。でも、靴は何の役にも立ちませんでした。
それはとても大きな靴で、これまで少女のお母さんが履いていたものでした。
とても大きい靴でした。
かわいそうに、道を大急ぎで走って渡った時、少女はその靴をなくしてしまいました。
なお、羽があるんだから飛べよ、という突っ込みは却下させて頂きます。
走って渡った時、二台の馬車が猛スピードで走って来たからです。
片方の靴はどこにも見つかりませんでした。
もう片方は浮浪者が見つけ、走ってそれを持って行ってしまいました。
…浮浪者なのに、なぜかやけに太っているのが気になりますけど。
ちなみに、原作で靴を持って行ったのは浮浪児です。
「ワシにいつか子供が出来たら、ゆりかごにできるにゃも。
 名前はヌワンギにするにゃも。ヌワンギ、待ってるにゃも!」
 浮浪者はそんなことを思いながら走って持って行ったのです。
「待ちなさい!」
 少女は浮浪者の足を止めるべく、光の術法を使いました。
み”ゅいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ
「ぐわあっ!」
「「ああっ!若様がウルトレーザーの餌食に!」」
「うおっ!ソーラレイか?」
「ハクオロさん、危ないです!光の術法が!!」
ばしっ
ばしゅっ
「ぎゃあああっ!!」
「「ああっ!!
  兄者様を庇ってエルルゥ様が弾いたウルトレーザーが若様にすべてぶつかってるっ!!」」
「ん?にゃもーーーーーーっ!」
 範囲内の道行く人々(被害者、約1名)にも被害を与えながら、
光の術法は浮浪者に見事に当たりました。
その見事さに、それを見ていた人々は驚きます。
…あたしは、範囲内にいた薬師さんが拳で術法をすべて跳ね返していたのに驚きましたが…。
「やっと捕まえることが出来ましたね。」
 ほっとしながら少女は、足を止めた浮浪者の所に歩いて行きました。
浮浪者は真っ黒に、いい感じに焦げてぴくぴくにゃもにゃも痙攣していました。
「ああっ…何ということでしょう…。お母様の靴が真っ黒に…。」
 光の術法の影響でぼろぼろになった靴の惨状に、少女は深く悲しみます。
「そうであろうな。大切な母の靴がこのようになってしまってはな。」
 そうですねクーヤ様。とても悲しいことです。
ちなみに、黒焦げの消し炭がぴくぴくにゃもにゃも痙攣しているのは当然無視です。

 それで少女は小さな裸の足で歩いて行きました。
両足は冷たさのためとても赤く、また青くなっておりました。
少女は古いエプロンの中にたくさんのマッチを入れ、手に1束持っていました。
日がな一日、誰も少女から何も買いませんでした。
わずか1円だって少女にあげる者はおりませんでした。
寒さと空腹で震えながら、少女は歩き回りました。
まさに悲惨を絵に描いたようです。
「実際、書いているのではないか?」
 クーヤ様、それを言ったらおしまいですよぅ〜。




マッチ売りの少女られるもの-2-

 ひらひらと舞い降りる雪が、少女の長くて金色の髪と背の白い羽を覆いました。
どの窓からも蝋燭の輝きが広がり、鵞鳥を焼いているおいしそうな香りがしました。
ご存知のように、今日は大みそかです。そうです、少女はそのことを考えていたのです。
2つの家が街の一角をなしていました。そのうち片方が前にせり出しています。
少女はそこに座って小さくなりました。
引き寄せた少女の小さな足は体にぴったりくっつきましたが、
少女はどんどん寒くなってきました。
 ですが、少女は家に帰ることはできません。
マッチはまったく売れていないし、たったの1円も持って帰れないからです。
 少女の小さな両手は、冷たさのために、かじかんでいました。
束の中からマッチを取り出して壁にこすり付けて、指を暖めれば、
それがたった1本のマッチでも、少女は、ほっとできるでしょう。
なお、法術でどうにかできるのでは?という突っ込みは却下です。
 少女は1本取り出し、火をつけました。
 ≪シュッ!≫
 何という輝きでしょう。何とよく燃えることでしょう。
温かく、輝く炎で、上に手をかざすとまるで蝋燭のようでした。
すばらしい光です。
小さな少女には、まるで大きな鉄のストーブの前に実際に座っているようでした。
 そのストーブにはぴかぴかした真鍮の足があり、
てっぺんには真鍮の飾りがついていて、その炎は、周りに祝福を与えるように燃えました。
いっぱいの喜びで満たすように、炎は周りを暖めます。
少女は足も伸ばして、暖まろうとしました。
 しかし、―― 小さな炎は消え、ストーブも消え失せました。
残ったのは、手の中の燃え尽きたマッチだけでした。
「サクヤ。それは、もしかすると凍死寸前の人間が見るという幻覚なのではないのか?」
 …多分、違うのではないでしょうか、クーヤ様…。
…ええ、多分、恐らく、ひょっとしたら…。
「あの、そんな議論よりも、早くお話を進めなくてはならないのではないでしょうか?」
 あ、す、すみません、ウルトリィ様!
えと、少女はもう1本壁にこすりました。
マッチは明るく燃え、その明かりが壁に当たったところはヴェールのように透け、
部屋の中が見えました。
テーブルの上には雪のように白いテーブルクロスが広げられ、
その上には豪華な磁器が揃えてあり、焼かれた鵞鳥はおいしそうな湯気を上げ、
その中にはリンゴと乾しプラムが詰められていました。
「まあ、とても美味しそう…。」
 そう少女が呟いた時、驚くことが起こりました。
鵞鳥が皿の上からぴょんと飛び降りて、
胸にナイフとフォークを刺したまま床の上をよろよろと歩いて、
少女のところまでやって来たのです。
それは、さながら仮面のレプリカをつけたクンネカムンの人々のような、
もしくは某バイオハザードの最初に出てくる敵の如く、いい感じに腐ったような動きでした。
はっきり言って、怖いこと、この上ありませんでした。
「い、いやあっ!こ、来ないで下さい!」
 丁度その時――マッチが消え、厚く、冷たく、じめじめした壁だけが残りました。
「…幻で良かったではないか。」
 そうですね…あたしも、そう思います…。
ちなみに、原作でも胸にナイフとフォークを突き刺したまま鵞鳥が歩いて来ます。
「本当はホラーなのではないか…?」




マッチ売りの少女られるもの-3-


 次はもっとましなものが見られることを祈り、少女はもう一本マッチを灯しました。
すると、少女は最高に大きなクリスマスツリーの下に座っていました。
そのツリーは、金持ち商人の家のガラス戸を通して見たことのあるものよりもずっと大きく、
もっとたくさん飾り付けがしてありました。
何千もの光が緑の枝の上で燃え、
店のショーウインドウの中で見たことがあるような楽しい色合いの絵が
少女を見おろしています。
少女は両手をそちらへ伸ばします。
その時、マッチが消えました。
クリスマスツリーの光は高く高く上っていき、もう天国の星々のように見えました。
そのうちの一つが流れ落ち、長い炎の尾となりました。
「今、誰かが亡くなっのですね…。」
 流れ落ちた、長い炎の尾を見て、少女は言いました。
それというのも、おばあさん
――少女を愛したことのあるたった一人の人、今はもう亡きおばあさん――
がこんなことを言ったからです。
「星が1つ流れ落ちる時には、魂が1つ神様のところへと引き上げられるんだぇ。」

 ちなみにその頃、黒焦げの消し炭が、ぴくぴく、とも、にゃもにゃも、とも
動かなくなったのですが、そんなことはどうでもいいことです。

 少女はマッチをもう一本、壁でこすりました。
すると再び明るくなり、その光輝の中におばあさんが立っていました。
とても明るく光を放ち、とても柔和で、愛にあふれた表情をしていました。
「トゥスクル様!」
 少女は大きな声をあげました。
「お願い致します。どうか、私(わたくし)を連れて行って下さい!
 マッチが燃えつきてしまうと、トゥスクル様も行かれてしまいます。
 暖かいストーブのように、美味しそうな鵞鳥のように、
 そして、あの大きなクリスマスツリーのように、トゥスクル様も消えてしまいます!」
 少女は急いで、1束のマッチをありったけ壁にこすりつけました。
おばあさんに、しっかり側にいて欲しかったからです。
マッチの束はとてもまばゆい光を放ち、昼の光よりも明るいほどです。
この時程おばあさんが美しく、大きく見えたことはありません。
おばあさんは、少女に近付くと、こう言いました。




マッチ売りの少女られるもの-4-


「姫様。このようなところにおられましたか。」
「えっ?」
 話し掛けられて良く見ると、それはおばあさんではなく、
少女がよく見知っている人物、ムントでした。
「ム、ムント。こ、このようなところで、ど、どうしたのですか?」
 少女は冷や汗をかきながら言います。
「どうしたもこうしたもありません。姫様。
 いくらマッチ売りをしてみたいからと言って、黙って抜け出してはなりません。
 さあ、早く戻りましょう。」
「で、ですが、私(わたくし)は、社会勉強のためにもやりたいのです。」
「そうようなことを申されましても。」
「ムント、お願いします。
 あら、ムント。いつも思っていますけど、今日のムントの髭は、また一段と立派ですね。」
「はっ?」
 少女はムントの髭に手を伸ばして、触ってみました。
その時、少女は間違いに気付くとかしこまり、言い直しました。
「…立派な鼻毛ですね…。」
「はい。ありがとうございます。さあ、参りましょう、姫様。」

 こうして少女はムントと共に帰り、
マッチ売りの少女から、一国の皇女に戻るのでした。



 一方、浮浪者は、輝く光と喜びに包まれて、高く、とても高く飛び、
やがて、もはや寒くもなく、空腹もなく、心配もないところにいたのです。
「こ、ここはどこにゃも?はっ!そうにゃも!
 日頃の行いが良かったにゃもから、天国に来れたんだにゃも!」
 浮浪者は喜びました。
と、突然、両脇から腕を掴まれました。
「だ、誰にゃも?」
 見ると、耳にピアスを嫌という程つけた嫌われ者ナンバー1の男と、
知らない男が浮浪者の腕をがっちりと掴んでいました。
 ちなみに知らない男の方は、ラクシャインというのですが、
本編にグラフィックも容姿の説明もセリフの1つもない為、
詳しいことは一切分からないのでご了承下さい。
 浮浪者の腕を血が通わなくなる程しっかり掴んで、
嫌われ者ナンバー1の男と知らない男がどこかへと引きずって行きます。
「さあて、一緒に行こうか?」
「ど、どこへ連れて行くつもりにゃも?」
「そりゃあ、僕達に相応しい、とってもいいところだよ。」
「い、嫌にゃも、いやにゃも〜〜〜〜〜っ!」
「ああ、1つ言っておくけど、ラクシャインはセリフを一切言ってないよ。
 セリフを言っているのは僕とササンテだけだからね。」
「誰に言っているにゃも〜〜〜っ!……………。」




 あの街角には、夜明けの冷え込む頃、消し炭が1つ転がっていました。
「うわっ!きったねえゴミ。」
「クロウ、不満を言ってないで、早く片付けましょう。」
「了解しやした。大将。」
 早朝の掃除をする、仕事人の鑑のような
お2人が消し炭を手際よく片付けます。
この薄汚い燃え尽きたものが、似た者と一緒に素晴らしい所へ入って行ったと想像する人は、
誰1人いなかったのでした。




と、いうわけで今日はここまで。
続きは次回の講釈で〜。


♪おれは自由に〜生きるそんご〜くうだよ 気楽なもんだよ〜…♪













あとがきの類似品

夢幻夢想です。
ニ言だけ言わせて下さい。

立ちグラフィックを良く見て下さい。
そう見えるはずです(笑)。

なお、次回も予定は未定です。

では、この辺で。





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