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疲労で倒れてから寝てばかりで、やや退屈な(病人だから寝てろ…)夢幻夢想です。
お待たせしました(誰も待ってないんじゃ…)の「パロられるもの」の第9段です。
今回の講釈は「日本昔話」からで、「鶴の恩返し」のパロディ、
「鶴の恩返しられるもの」をお届けします。
では、どうぞ。
パロられるもの9 鶴の恩返しられるもの
鶴の恩返しられるもの
配役
若い男 … カミュ&ムツミ
鶴&女房 … ウィツァルネミテア&ハクオロ
エキストラ … その他の方々
ナレーション … サクヤ
鶴の恩返しられるもの-1-
むかしむかし、貧乏で1人で住んでいる若い男がいました。
その男は、銀色の髪をして黒い羽を持ち、
青玉(ワゥ・カゥン)のように藍色の瞳をした、明るい女の子でした。
なお、男なのに女の子は矛盾しているんじゃ…という突っ込みは却下します。
冬になり、雪がたくさん降っていました。
『ウウ・・・』
「あれ?何だろう?」
ある日、深い雪の中を家に帰る途中、変な音が聞こえました。
そのうめき声のような音がどこから来たのかを探しに、向こうの畑に行ってみました。
すると、鳴いている鶴を1羽見つけました。
『ウ・・・クウウ・・・』
その鶴は、異形の姿をし、どんな攻撃をも受け付けず、死ぬことはありえず、
並大抵の攻撃など何でもないはずなのですが、
着ている白い鶴の着ぐるみの羽に矢を受け、鳴いていました。
鶴なんていうような生易しい存在かよ!という突っ込みは当然却下させて頂きます。
「お父様…今、助ける。」
男は鶴を見ると、青玉(ワゥ・カゥン)のように藍色だった瞳を
紅玉(ティ・カゥン)のように爛々と紅く輝かせると、
苦しんでいる鶴を助けるために矢を抜きました。
『スマナイ、ムツミ』
「いえ。私はお父様のためにしただけ。」
『ソウカ…。デハナ、ムツミ』
助けられた鶴は空へ飛び立ちました。
その、空を飛ぶ様は、威厳と貫禄に満ちていました。
「鶴とは、威厳と貫禄に満ちているものなのか?」
いえ、違うと思いますけど…。
そして、元の藍色の瞳に戻った男は家へ帰りました。
「ただいま〜。…って言っても誰もいないんだけどね。」
1人暮らしの貧しい人なので、生活はさびしく苦しく、普段は誰も尋ねて来ません。
時々、近くの辺境の集落の姉妹と兄妹がムックルに乗って遊びに来るだけです。
しかしその夜、家の戸をとんとん、とたたく音が聞こえました。
「にゃぐ? あれ?誰だろ?アルちゃん?ユズっち?エル姉様?ボボロ兄様?」
「俺の名前はオボロだ!」
何か声が聞こえた気がしましたが、当然無視です。
こんなに遅い時間の、深い雪の日に誰が家に来たのかと思って、
戸を開けてびっくりしました。
そこには角のようなものがついた白い仮面を着けた、美しい娘が立っていました。
「うぅ…今回もこんな役か…。」
「ううん。そんなことないよ。カミュはおじ様の女装、キレイで好きだよ。」
「あ、ああ…ありがとう…。喜ぶべきか悲しむべきか…。まあ、それはともかくだ。
道に迷ったので、この家に泊まらせて…。」
「うん、もちろんだよ!さあ、上がって上がって!」
娘がセリフを言い終わらないうちに、
コンマ以下の早さで答えて家に引っ張り込む男でした。
鶴の恩返しられるもの-2-
次の夜も娘は泊まらせてほしいと頼みました。また男は泊めてやりました。
その次の夜も同じように娘は男の家に泊まりました。
なお、その夜は満月の夜でした。娘はその夜はなかなか寝付けませんでした。
(眠れない…何故だろう…。寝苦しいな…。
…うむ?何だ? 辺りのものが小刻みに揺れ動いて‥‥地震?
いや、揺れているのはここだけだ…。 …ッ! 耳鳴り?)
「お父様…、いえ、おじ様…。」
そう言って娘に近寄ってきたのは、青玉(ワゥ・カゥン)のように藍色だった瞳を、
再び紅玉(ティ・カゥン)のように爛々と輝かせた男でした。
「って、ちょっと待て、カミュ!いや、今はムツミか?」
「そんなことはどうでもいい。さあ、お父様…。」
「ま、待てッ!あ、ち、ちょっと!
ぬぉッ!か、身体が動かん!!
や、やめるんだ!ムツミ!!カミュ!!あ、あ、あーーーーーーーーっ!!!………。」
え、えっと、その…ま、まあ、いろいろありまして、
男はその美しい娘に女房になってほしくなって、夫婦になりました。
2人は貧乏でしたが、幸せで明るい家庭でした。
「おじ様っ♪」
近所の人達は2人の幸せを喜んでいました。
「カミュちゃん、ハクオロさん…。」
めしめしぎしっ
「ぎ、ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁッ!エ、エルルゥ、く、砕けるッ!砕けるぅッ!!」
「「ああっ!若様が、顔は笑顔のままで一見祝福しているように見えるエルルゥ様に、
伝説のパロ・スペシャルをかけられている!!
しかもスピード、タイミング、掛け方も完璧に!!!
これでは絶対に抜け出せない!!!!若様、もがいたら絶対に駄目です!!!!!」」
しかし、長い冬が続いて、お金も食べ物もなくなり、2人はもっと貧しくなりました。
ある日、女房は、はたを織ることにしました。
男は家の奥の部屋に、はたを備え付けました。
はたを織る前に、女房は男に頼みました。
「いいか。絶対にのぞいたらダメだからな。」
「ウン…いいよ…。それが…お父様の望みなら…。お父様の望みは…わたしの望み…。」
意味もなく紅い瞳になった男は約束をしました。
女房は奥の部屋の戸をしめて、はたを織り始めました。
三日三晩の間、女房は熱心に織り続けました。
結局、三日目の夜、織物が出来ました。
「ほら、完成したぞ。」
女房は疲れ切って出て来ましたが、織物は素晴らしい出来栄えでした。
男は織物を売りに町へ出かけました。
「あら。この織物は、素晴らしいですね。」
「エヘヘ、そうでしょう?ね、お姉様。これ、どうかな?」
「そうですね。では、いただきましょう。」
この織物はめったにないほど素晴らしいので、とても高く売れました。
鶴の恩返しられるもの-3-
そのお金のおかげで生活ができましたが、
冬は長くてまたお金も食べものもなくなってしまいました。
「計画性がないのではないか?」
それは言わない約束ですよぅ、クーヤ様ぁ〜。
そこで、女房は、もう1度はたを織ることにしました。
またのぞかないように男に頼みました。
三日三晩待っていても、まだ織りおわりません。
四日目の夜、疲れてやつれた女房は前より美しい織物を持って出て来ました。
男が町へ売りに出かけると、前よりもっといい値で織物が売れました。
女房のおかげで幸せになりましたが、男は素朴な疑問がありました。
「糸を買わずに、どういうふうにしておじ様はあんなに素晴らしい織物ができるんだろう?」
それは不思議なものだと、男も他のみんなも思っていました。
男はどのように女房がはたを織るのかを知りたくて、女房にもう1つの織物を頼みました。
「ね、おじ様。カミュ、お願いがあるんだ。もう1つ織物が欲しいんだけど。」
「そうなのか?まあ、いいが…。」
やつれた女房は、しぶしぶ織ることにしました。
「いいか。絶対にのぞいたらダメだからな。」
と言ってから、女房は織り始めました。
男は本当に女房がどのように、はたを織るのか知りたかったのです。
「どうやって織ってるんだろ?んふふふふふ〜、やっぱり見ちゃおっと!」
もうがまんできなくて、奥の部屋に行って、障子を少しだけ開けました。
でも、見えたのは女房ではありませんでした。
そこには、鶴の着ぐるみを着た2人の異形の姿がありました。
片方はあの助けた白い鶴でしたが、もう片方は黒い鶴でした。
『ヤハリ来タカ、我ガ空蝉(うつせみ)ヨ。』
『アア。我等ノ娘ガ、マタ織物ガ欲シイト言ッテナ。ドウシテダ?』
『ソレハ汝モ知ッテイル筈ダ。私以外ノ私自身ヨ。』
『モチロンダトモ、我が分身ヨ!デハ、始メルカ…』
『我等ハ鏡。我等ハ対極。我等ハ弐ニシテ壱。』
『デハ、行クゾ!』
白い着ぐるみの鶴と黒い着ぐるみの鶴は、戦い始めます。
よく部屋が壊れないものですが、恐らく結界でも張っているのでしょう。
「す、スゴイ…。」
男はびっくりして、思わず声を出してしまいました。
その時、白い鶴が男のことに気がつき、その隙に黒い鶴が白い鶴にはない、
前方へのマップ攻撃という、えげつない攻撃で白い鶴をノックアウトさせました。
実は、白と黒の2人の大きな鶴が、互いに戦い合い、
負けた方の羽を抜いて、織物を作っていたのです。
鶴の恩返しられるもの-4-
男は、どうしてそんなに素晴らしい織物が出来たのか、これで判りました。
「でも、どうして内緒にしてたの?」
尋ねる男に、白い鶴の着ぐるみを着た異形の姿をしたままの女房が説明しました。
『我ノ能力ハ知ッテノ通リ、我ガ分身ニ及バナイ・・・。
1対1デハ、我ハ余リニモ不利・・・。負ケルノハ目ニ見エテイル・・・』
「つまり、負けるところを見られたくなかった、と…?」
『ソウ言ウコトダ。』
「なるほどね。なら、もう大丈夫だよっ!」
男はそう言うと、家の出入り口の扉を見ました。
女房もそちらの方を見ると、突然扉が開きました。
「その通りです、ハクオロさん!」
「おと〜さん。もう大丈夫。」
「兄者!待たせたな!」
「「兄者様、もうご安心を!」」
「ハクオロ様、私(わたくし)達が来たからには、もう心配いりません。」
「そうですわ、あるじ様。」
「聖上。某、助太刀いたします!」
「聖上、この命尽きるまで供をいたしましょう」
「総大将、もう心配ありませんぜ!」
そこには、戦闘29 オン・リィヤーク後半戦 でのメンバーが揃っていました。
その豪華な顔ぶれに黒い鶴の着ぐるみを着た方は冷や汗を流します。
『マ、待テ!ソレハ余リニモはんでガアリ過ギナイカ、我ガ空蝉?』
『ソンナコトハナイゾ、我ガ分身ヨ!
我等ガ・・・、我等ガイルカラ・・・否、貴様ガイルカラ!貴様コソガ禍(わざわい)。
貴様コソガ元凶ナル者!ソウ、貴様ハ滅ビネバナラナイ!!』
「そうだよ。それが…お父様の望みなら…。お父様の望みは…わたしの望み…。
だから…。アマテラス強制介入、照射準備。オトウサマを殺してあげる。
さよなら。」
男までも青玉(ワゥ・カゥン)のように藍色だった瞳を、
再び紅玉(ティ・カゥン)のように爛々と輝かせ、黒い鶴に攻撃準備をします。
『マ、待テ!今ノ我ガ空蝉トむつみノせりふハ、ドコカ違ウノデハナイカ!?』
黒い鶴は何やら言っているようですが、そんなものは当然聞いていません。
戦いは一瞬でした。
斬り込み隊長のエルルゥの必殺の一撃、他のメンバーの波状攻撃、
ムツミのアマテラスの一撃、白い鶴が今までやられていたおかげで溜まった気力を使った連続、
それらは芸術的なコンボで決まり、さしもの黒い鶴も沈黙せざるを得ませんでした。
「さて、それじゃあ、織物を織りましょうか。」
大きな黒い鶴を片手で難なく持ち上げながら、エルルゥがみんなに言います。
「そうだな。」
娘の姿になった女房は、幸せそうに頷いて答えます。
その後、大量の織物を元手に呉服問屋「トゥスクル屋」を開き、
みんなで幸せに暮らしているそうです。
と、いうわけで今日はここまで。
続きは次回の講釈で〜。
♪おれは自由に〜生きるそんご〜くうだよ 気楽なもんだよ〜…♪
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体が楽になったので、書いたのですが…。
すみません、またしばらく休みます。
次回は「かさじぞう」のパロディーの予定です。
そして、10回記念ということで、「あのお方」が再び登場です!
では、この辺で。
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