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初めまして、夢幻夢想こと、むぅちんとげんちゃんです。
(笑えないセリフを言うんじゃない…幻夢です。)
だって、もうすっかり忘れ去られた頃だと思いますし、新しく来た方もいらっしゃいますし、
なら、いっそのこと『始めまして』の方がいいかな、と。
(あのな…。)
ですが、中指と薬指が治ってきた頃、立ち上がれない程の腰の痛みがあって、
病院で診てもらったら椎間板ヘルニアと診断され、またここにはしばらく来れなさそうですし。
(本当に今年は厄年だな…。)
次に何かあったら命にかかわることになるかも。その時は、げんちゃんも道連れですよ。
(だから笑えないセリフを言うな…。)
それはさておき、忘れられないほどの人気を誇る(即座に忘れ去られる不人気さでは…)
「パロられるもの」の第16段です。
今回の講釈は「日本昔話」からで、「一寸法師」のパロディ、
「一寸法師られるもの」をお届けします。
では、どうぞ。
パロられるもの16 一寸法師られるもの
一寸法師られるもの
配役
おじいさん … テオロ
おばあさん … ソポク
一寸法師 … オボロ
おやゆび姫 … ユズハ
お姫様ズ … ドリィ&グラァ
鬼 … ハクオロ
エキストラ … その他の方々
ナレーション … サクヤ
一寸法師られるもの-1-
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
2人には子供がいなかったのでおじいさんとおばあさんは寂しくて、
「手の指ほどの小さい子供でもいいから、授けてはくれないもんかねぇ。」
と、お天道様にお願いしました。
ある日、本当に手の指くらいの子供が生まれ、おじいさんとおばあさんは喜びました。
「それにしても、普通はもう製造不能になっているもんじゃないかねぇ?」
「ダーッハハハハハ!!カァちゃん、いいじゃねぇか、そんな細かいことは。」
とても小さい男の子だったので、『一寸法師』という名をつけ、かわいがって育てました。
一寸法師が生まれてしばらくした頃、病弱ではあるのですが、妹が生まれました。
一寸法師よりも背が低いので『おやゆび姫』と名付けました。
ですが、3年経っても一寸法師とおやゆび姫はちっとも大きくなりません。
5年経っても、一寸法師はトリガラのような身体のまま大きくならず、
おやゆび姫は熱を出して視力を失い、やはり大きくなりません。
10年経っても、一寸法師もおやゆび姫も、
まだ生まれた時と同じように、手の指の高さの男の子と女の子です。
おじいさんとおばあさんは心配になりましたが、
いくら大事にしても、いくら食べさせても一寸法師とおやゆび姫は大きくなりません。
小さな一寸法師は、家でおばあさんの手伝いもできないし、
畑でおじいさんと一緒に働いても草を一本しか運べません。
おやゆび姫は踊りと歌が上手になりましたが、
背が伸びませんし、病弱なので寝ているしかなく、仕事ができません。
それに村の子供達にいつもバカにされていました。
皆(特に、ウマに乗って片目に刀傷がある男の子)は、一寸法師のことを
「ちび、トリガラ。」
と呼んでいました。
「ふんッ。ウマに乗るしか能がないデカブツよりはマシだ。」
「テメ、その小さい身体で俺の剣技をしかと味わったんじゃねぇのか、あぁ!?」
「汚い奴だな。唾を飛ばすな。」
「馬っ鹿ヤロ。俺の神聖な雫のどこが汚ぇ。ぺっぺっぺっ。」
と、いうように、仲がいいのか、悪いのか、言い争う日々が続いていました。
一寸法師られるもの-2-
ある日、一寸法師は旅に出かけることにしました。
おじいさんとおばあさん、そして、おやゆび姫に
「俺は都に仕事を見つけに行って来る。」
と言いました。
おじいさんとおばあさんは寂しかったけれども、
仕方がなく、一寸法師にお椀とお箸と2本の針を持たせました。
そして、一寸法師はお椀を傘の代わりにかぶって、針を刀にし、
お箸を杖の代わりにして都に向かって歩き始めました。
一寸法師は歩き続けましたが、行けども行けども都は遠くて、まだ着きません。
途中で、アリ(アリの着ぐるみを着たベナウィ)に会って、道を尋ねました。
「たんぽぽ横丁を通ると、つくしが生えている場所があります。
そのつくしの外れにある川を上がれば都に着くでしょう。」
と、アリが教えてくれました。
一寸法師はたんぽぽの中を歩き、つくしの中を歩き続けて、川に着きました。
被っていたお椀を船にして、お箸の杖をかいにして、
一寸法師は力いっぱい川を漕ぎ上がって行きました。
やっと、大きな橋のところに来ると、大勢の人がその橋を渡っていたので、
「ここが都だな。ふう。やっと着いた。」
と思って一寸法師はお椀の船を下りました。その途端、声が聞こえました。
「オボロ兄さま…。お疲れ様です…。」
驚いて声の主を見ると、何と、残してきたはずの妹のおやゆび姫でした。
「なっ!?ユ、ユズハ?何でここにいるんだ!!???」
「?ユズハは…ずっと兄さまと一緒にここまで来ていましたけど…?」
不思議そうな顔をするおやゆび姫ですが、一寸法師も同じような表情をします。
「そ、そんなはずは…。今まで、側に人の気配なんてなかった…。
それに、何度も辺りを見たはずだ…。ユズハの姿を見たことはなかった…。」
「それは…。人は…見るものを認識しようとしないと…
例え目に入っても…それであると認識できない…ということではないでしょうか…。」
「そ、そうなのか?」
「そうだと思います…さあ、オボロ兄さま…。行きましょう…。」
納得がまだいかない一寸法師でしたが、おやゆび姫に催促されて一緒に行くのでした。
一寸法師られるもの-3-
都には人がたくさんいて、忙しそうにあちこち歩いていました。
ビジュアル的にはトゥスクルの城下町をイメージして下さい。
真ん中あたりで、頭に藁の鉢巻きをした、どこかで見たような人がいるシーンです。
小さな一寸法師とおやゆび姫にとって、混んでいる道は危ない場所でした。
…の、はずなのですが…。
「ユ、ユズ、ハ…。」
「オボロ兄さま…大丈夫ですか…?」
踏まれそうになってへろへろになっている一寸法師に対して、
目が見えないはずのおやゆび姫は、華麗に、優雅に、踊るように避けていくのです。
「いろいろと、聞いて、みたいことも、あるが、
とりあえず、す、すまないが、ユズハの、後に、ついて行っても、いいだろうか。」
「ハイ…。いいですよ…。」
一寸法師はおやゆび姫の後をついて町を歩くことにしました。
それでも、やはり踏まれそうになりましたが。
「ユ、ユズハ。も、もう少し、人通りの、少ない、道へ、行かないか?」
「そうですね…。ユズハも静かなところがいいです…。そうしましょう…。」
2人は静かな道を通って立派なおやしきの前に出ました。そこは大尽の家でした。
一寸法師は玄関のところまで行って
「すまないが、誰かいるか?」
と呼ぶました。すると、誰かがやって来て、
「お呼びで御座いますか、ハイ。
?声が聞こえましたが、誰もおりませんですね?」
と言いました。
「ここだよ。下駄の側だよ。」
と一寸法師が答えました。
その人は下駄の方をのぞいて、そこに見たこともない小さい人間がいたので驚きました。
「こ、これはいい商品に…ではなくて、お姫様ズにいいお土産ができましたです、ハイ。」
そして、一寸法師をつまみあげて、お姫様ズのところに連れて行きました。
お姫様ズは、とても可愛らしい、美少女と見紛うばかりの双子の男の子でした。
文法が激しく間違っていますが、その辺りの指摘は却下します。
お姫様ズの前に連れてこられた時、一寸法師は妹のおやゆび姫のことが気になり、
慌てて後ろを振り向きましたが、そこには、ちょこん、とおやふび姫が座っていました。
深いことを考えないようにした一寸法師は、お姫様ズの前で弐刀流の剣舞を舞い、
おやゆび姫は歌を歌いました。
とても上手だったので、皆はびっくりしました。
特にお姫様ズはその小さな男の子が可愛くて、いつも側にいて欲しくなりました。
「「ああっ 若さまっ。」」
と、講談社から出ている某女神の漫画のタイトルのような感じでうっとりと言いました。
その目は、
「「どこまでもお供したい。散歩でも、稽古でも、もちろん、お風呂や布団の中までも。」」
と、如実に語っていました。
一寸法師られるもの-4-
一寸法師とおやゆび姫は、大尽の家で生活することになって、
本をめくったり、墨をすったりしてお姫様ズの手伝いをして過ごしました。
針で刀の訓練も熱心にしました。
その行動、一挙手一投足にお姫様ズは神経の全てを傾けて凝視し、
ちょこちょこと動く度に、恍惚とした表情をして満足そうなため息をつくのでした。
「「はあぁ〜…。若様ぁ〜…。」」
お姫様ズが出かける時は、いつも一寸法師を連れて行きました。
おやゆび姫の体調が良ければ、おやゆび姫も一緒に連れて行くのでした。
一寸法師の着替えをさせる時の顔は、もはや性犯罪者のそれに限りなく近くなり、
お風呂に一緒に入る時は、ケダモノのごとき表情になるのですが、
そのことに気付いてもいいようなものなのに、一寸法師は全く気付きません。
人の感情に敏感なおやゆび姫は、ビシバシとそのオーラを感じているのですが、
それが何なのかを知りませんし、おやゆび姫本人には害もないため、
一寸法師には何も言いませんでした。
ある日、お姫様ズはお寺に観音様をお参りに行きました。
その帰り道、お姫様ズは一寸法師を気にするあまりに躓いてしまい、
その拍子におやゆび姫が放り出されました。
「!ユズハッ!!」
「「ユズハ様!!!」」
「む?!危ないッ!!」
ぽすっ
あわやという時、おやゆび姫を間一髪、助けた者がいました。
それは角のついた白い仮面をつけた、人を惹きつけて止まない鬼でした。
「怪我はないか?」
「あ…ハイ…。ユズハは…大丈夫です…。」
鬼の掌に優しく受け止められたおやゆび姫は、顔を赤くしながら答えます。
「そうか。怪我がなくて良かった。」
「あ…。」
怪我がないことがわかると、鬼は優しく微笑んで
人差し指で優しくおやゆび姫の頭を撫でます。
おやゆび姫もその心地良い感触に嬉しい表情になりました。
一寸法師られるもの-5-
そんな、ほのぼのとした時のことです。
「貴様ッ!ユズハに何をしているッ!!」
その光景を見た一寸法師は鬼に向かって殺意剥き出しの目を向けます。
「何、と言われても、ただこの娘を撫でているのだが―。」
「貴様ァァァァァァァ!!殺(シャ)―――ッ!!」
鬼が言い終わらないうちから一寸法師は2本の針を刀のようにして構え、
吼えながら鬼に向かって行きます。
「まあ、落ち着け。」
ぴんっ
「―ガッ!!」
一寸法師は、慌てずに鬼が軽く放った顎への指はじきを喰らい、地面に倒れます。
軽く放っただけの鬼の指はじきですが、小さな一寸法師への衝撃は大きなものです。
しかも、顎に喰らったため脳震盪を起こし、
世界がグラグラと揺れ、立ち上がることも出来ません。
そんな一寸法師に、おやゆび姫が声をかけます。
「お兄さま、やめて下さい…。この方は、ユズハを助けてくれたのです…。
それなのに、酷いことをするなんて…あんまりです…。」
「い、いや…。どちらかというと、酷い目にあっているのは俺の方のような…。」
「それに…今のお兄さまから…とても嫌な感じがするの…。そんなお兄さま…嫌い…。」
「カ――――!!!!?」
「お、おい…。大丈夫か…?」
「………………。」
「「ああっ!若様、お気を確かにっ!!」」
おやゆび姫からの痛恨の一撃を喰らい、一寸法師は惚けてしまうのでした。
この一言は一寸法師にとっては、かの『大惨劇』よりもきつい一言でした。
これらの出来事を一部始終目撃していた、単独で大惨劇が出せる某薬師さんは、
「流石はユズハちゃんです。わたしも、もっと精進しないと。」
と、決意を新たにするのでした。
一寸法師られるもの-6-
何はともあれ、惚けてしまった一寸法師はお姫様ズに任せておいて、
鬼はおやゆび姫に言いました。
「そうだ。おやゆび姫、と言ったかな?」
「ハイ…。何でしょうか…?」
「少しいいかな。確かこの辺に…。よし、これだ。」
鬼はそう言うと、空いている手を懐に入れ、何かを取り出しました。
「ウィツ出の小槌〜〜〜〜。」
国民的アニメの某青い猫形ロボットのような口調で、
かつ、例の効果音付きで、鬼は懐から異形の姿をした小槌のような道具を出しました。
その小槌は、何やら『助ケテホシイカ』とか『汝ガソノ願イ、叶エヨウ』とか言っています。
そして、鬼は、かのベテラン声優のような声でおやゆび姫に言います。
「これは解放者…ではなく、鬼の宝物で、ウィツ出の小槌というものなんだ。
これを振れば願いがかなうよ、のび太くん。」
「そうなのですか…。下さい、ドラえもん。」
「わ〜〜〜〜〜わ〜〜〜〜〜わ〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
鬼とおやゆび姫との一連の会話を聞いた途端、
今まで惚けていたはずの一寸法師が両手を激しく振りながら大声で叫びます。
「ちょ、ちょっと待て、兄者ッ!!ユズハッ!!
い、いくら何でも、その会話は極限にヤバイッ!!!!」
大汗を流しながら、一寸法師は必死に訴えます。
「うむ。私もそう思っていたところだ。悪ふざけのつもりだったのだが、つい、な。
止めてくれて感謝するぞ、オボロ。ともあれ、おやゆび姫は何が欲しい?」
「ユズハは…ハクオロさまの赤ちゃんが欲しいです…。
そのためにも…ユズハは大きくなりたいです…。」
そう、おやゆび姫は答えました。
「そ、そうか…。
ま、まあ、何にせよ、一寸法師もここで大きくならなくてはならないからな。
では、行くぞ。大きくなれ、大きくなれ。」
鬼は背後からの某薬師さんの圧倒的な威圧感を感じながら、ウィツ出の小槌を振りました。
すると、一寸法師とおやゆび姫はみるみるうちに大きくなって、
立派な若者と、どこか儚げな印象の娘になりました。
そして、大尽の家に帰ると、お姫様ズは大きくなった一寸法師のお嫁さんに、
おやゆび姫は鬼のお嫁さんになることになりました。
「「ああっ、若様と結婚出来るなんて!!僕達、もう、どうなってもいいです!!!」」
お姫様ズの目は相当に潤み、もう失神寸前という感じで感極まっています。
「そ、そうか…。」
ですが、一寸法師は困惑気味です。
「さあ、若様。祝いのお酒です。どうぞ、御一献。」
「あ、ああ。」
「さすが若様。どうぞ、もう一杯。」
こうして、一寸法師は記憶を無くすまで飲み、朝には3人は裸になって寝ていたのでした。
一寸法師られるもの-7-
一方、鬼とおやゆび姫は、と言うと。
「…………おやゆび姫?」
「すぅ…すぅ…すぅ………。」
「寝ているのか…?休んでいるところを邪魔してはいけないな。起こさないうちに…。」
「………ハクオロさま?」
「あ…。あ、すまない。起こしてしまったな。」
「………夢を」
「ん?」
「夢をみてました…。ユズハが…たくさんの子供に囲まれている夢…。
その子たち…ユズハを母(はは)様と呼んで…甘えてくるの…。
とってもとっても温かな…幸せな夢…。ハクオロさま…。」
「何だい?」
「ユズハは…ハクオロさまとの赤ちゃんが…ほしいです…。
ユズハは…ハクオロさまがすき…。いちばん…いちばん好きだから…。」
「しかし…。」
「ユズハは…後悔、したくないです…。
ハクオロさまは…ユズハのこと…嫌いですか…?」
「馬鹿を言うな、ユズハが嫌いなんて筈が…。
わかった…。結婚しよう。」
「ハイ…。」
こうして結婚した後、一寸法師とおやゆび姫はおじいさんとおばあさんを都に呼び寄せて、
皆は一緒に長く、幸せに暮らしました。
めでたしめでたし。
ところで、今回クーヤ様は、というと。
ドサドサッ
「ゲンジマル…何だ、これは?」
「本日中に見てもらわなくてはならない書類ですな。」
「なぜ、このように大量にあるのだ?」
「聖上がよく外に出歩く故。」
「余は、サクヤと共にナレーションをせねばならぬのだ。」
「生憎ですが、それは政務を終えてからにして頂きたい。」
「のう、ゲンジマル。もう少しまからぬか?」
「まかりませんな。」
「ああ、もうよい!気が散るから下がっておれ。」
「御意…。」
「…………ハクオロの気持ちが良くわかる…。
ハクオロ…其方(そなた)も大変なのだな…。」
と、いうわけで今日はここまで。
続きは次回の講釈で〜。
♪おれは自由に〜生きるそんご〜くうだよ 気楽なもんだよ〜…♪
あとがきの類似品
夢幻夢想こと、むぅちんとげんちゃんです。
(幻夢です。)
…………それにしても、
本当に常連さんから『夢幻夢想さん、始めまして。』とかいう感想が来そうで怖いです。
(しゃれにならんな…。)
ところで、次回、本当に何時になるかはわかりませんが、候補は2つあります。
1.花咲かじいさん
2.さるかに合戦
の、どちらかになると思います。
「花咲かじいさん」のキャストは決まっています。
(飼い犬と、その主人です。おわかりですね。野良犬でないというところがポイントです。)
ですが、「さるかに合戦」の方はキャストは決まっていません。
(どうなるかは見てのお楽しみと言うことで。)
では、この辺で。夢幻夢想でした。
(この辺で。幻夢でした。)
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