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椎間板ヘルニアでとうとう入院して、
外泊許可をとって書き込んでいる夢幻夢想こと、むぅちんとげんちゃんです。
(明日には、また病院のベットで寝ているんだろうな…幻夢です。)
中央児童福祉審議会推薦の超人気SS(推薦には不適切の超不評SSの間違いだろう…)
「パロられるもの」の第19段です。
今回の講釈は「一休さん」のパロディ、「一休さんられるもの」をお届けします。
(しかも、初の試みをしていまして、実は続きものです。)
なので、次の20回記念とあわせまして、
ナレーションの親友であり、仕える人物である、「あの方」が登場です。

では、どうぞ。















パロられるもの19 一休さんられるもの1





一休さんられるもの

配役
   一休さん(周建) … ハウエンクア
   安国寺住職 外観和尚さま・像外集観(ぞうがいしゅうかん) … クーヤ
   兄弟子・秀念さん … ヒエン
   小坊主1(哲梅) … スオンカス
   小坊主2(哲斉) … カンホルダリ
   小坊主3(陳念) … ニウェ
   小坊主4(黙念) … ヌワンギ
   寺社奉行・蜷川新右衛門親当(にながわしんえもんちかまさ)さん … ゲンジマル
   将軍さま・足利義満(室町幕府の3代将軍) … ハクオロ
   エキストラ … その他の方々
   ナレーション … サクヤ




一休さんられるもの-1-


時は戦国・・・
童? ありき 名はハウエンクア 
その童? やんごとなきような気がしないでもない出自なれど 家を失い氏も絶えん
何故にか 仏門に帰依す
童? 後の世に○○ガイと聞こえし 一休禅師 ハウエンクアなり


 ここは安国寺。
耳に山ほどピアスをつけた○○ガイ小僧、一休さんがいるお寺です。
「平和だねぇ〜。こうも平和だと、思わず辻斬りをしたくなるねぇ〜。」
『何物騒なことを言っておるのだ!!』
 どごっ!
「ぐぶぅ!!」
 御仏に仕えているはずの身でありながら、御仏をも恐れぬ言動をしていた一休さんに、
白いアヴ・カムゥに乗って突っ込みを入れたのは、
この安国寺の住職である、外観和尚さまでした。
「お、和尚さまぁ〜。その突っ込みは、あまりにもきついんじゃないかなぁ〜?」
 頭から相当の量の血を流しながら、一休さんは和尚さまに言います。
『何を言っておる。この位しないと、一休は堪えないであろうが。
 そんなことよりも、余はこれから大事な用があるのだ。
 しばらく留守にするから、一休は仏像でも磨いているがよい。』
「そ、そんなことよりもって…。…わかりましたよぉ〜。」
『それから、念のために言っておくが、仏様の御供え物を食べるでないぞ。』
「もちろんわかってますよぉ〜。
 この僕がそんなことをすると思っているのかなぁ〜?」
『当たり前であろ。思っているから言っているのだ。くれぐれも食べるでないぞ。』
 そう言い残し、和尚さまは出かけて行きました。
それを見送った後、一休さんは、にやりと笑いました。
「和尚さまぁ〜。わかってるじゃないかぁ〜。
 じゃあ、早速、仏様のところへ行くとするかなぁ〜。ヒャハハハハッ!」
 人の神経を逆撫でするような笑い声をあげながら一休さんは仏間に行きます。
そこには、パーマのかかったヅラをつけ、タバコを吸うでっぷりとした仏様がありました。
「ぶはァ〜! さあ、早く朕(ちん)を磨くにゃも。育毛剤を頭につけるにゃも。」
 バカ殿丸出しといった感じで偉そうに一休さんに言う仏像ですが、
一休さんはそんな声を無視して、御供え物のおはぎに手を伸ばします。
「な、何をしているにゃも!それは朕(ちん)の物にゃも!!」
「何を言っているんだい〜? 仏様は食べられないだろう〜?
 食べられずに捨てられてしまうおはぎがもったいないだろう〜?
 だから僕が食べ物を粗末にしないように食べているんだよぉ〜。」
「や、やめるにゃも! やめるにゃも!! ああ、どんどん減っていくにゃも!!!
 やめるにゃも〜〜〜!!!!」
 悲痛な叫びを仏像はあげます。ですが、仏像のため、身体はピクリとも動きません。
「おやぁ〜。君もこのおはぎが欲しいのかなぁ〜?」
「ほ、欲しいにゃも!! 早く朕(ちん)に食べさせるにゃも!!!!」
「いいよぉ〜。なら、あげるよぉ〜。ほら。」
 そう言うと、一休さんは仏像の口におはぎを放り投げます。
「にゃも!!」
 仏像は放り投げられたおはぎを一口で食べました。
「う、美味いにゃも!!もっとよこすにゃも!!!」
「いいともぉ〜。その代わり、僕が食べたことは黙っているんだよぉ〜。」
「わかったにゃも!!だから早くよこすにゃも!!」
 こうして、御供え物のおはぎは、一休さんと仏像が全て平らげたのでした。




一休さんられるもの-2-


 夕方になり、和尚さまが帰って来ました。
「はふ…。やはり、ハクオロのなでなでは良い…。是非とも、また行こう…。はふ…。
 …おっと、いかん。一休がきちんと仏像を磨いたか、確認しないと。」
 すっかり陶酔した様子でアヴ・カムゥから降りて来た和尚さまでしたが、
仕事をしたかどうかを確認するため、仏間に行くことにしました。
「なっ…御供え物がなくなっている…! 一休――――!! これはどういうことだ!!!」
 和尚さまは先程までの幸福感を台無しにするかのような光景を見ると、一休を呼びました。
「おやおや。どうしたんだい和尚さまぁ〜?」
「どうしたもこうしたもない! 一休、御供え物を食べたであろ?」
 このピンチに、一休さんはすかさず和尚に返します。
そう、一休さんお得意の『屁理屈』です。
「何を言っているんだい? 僕は食べてなんかいないよ。
 ほら、仏像の口を見なよぉ〜。あんこがついているじゃないかぁ〜。
 きっと仏像が食べたんだよぉ〜。」
「…なるほど。で、どうなのだ?」
 一休さんの屁理屈を聞くと、和尚さまは仏像に尋ねます。
「一休と一緒に食べたにゃも。なかなか美味かったにゃも。一休、大儀だったにゃも。」
 仏像はあっさりとバラしました。
「なっ…!? おい、それは言わない約束だったじゃないかぁ〜!!」
「そ、そうだったにゃもか? 朕(ちん)は覚えが無いにゃも。」
「この物覚えの悪い、肉兄がぁ〜! だからバカ殿なんだよぉ〜!!」
「な、何を言うにゃも!
 そちらこそ、その人の神経を逆撫でするような口調が嫌われる原因にゃも!!」
「人の口調にケチをつける…。」
 一休さんと仏像がそこまで行った時のことです。

 ズンッ!!

 何かが床に突き刺さる音がしました。
一休さんと仏像が恐る恐る音のした方を見ると、
白いアヴ・カムゥに乗り込んだ和尚さまが、その剣を床に突き刺していました。
『…そうか…。一休と仏像が食べたのか…。
 後で、月でも見ながらサクヤと一緒に食べようと思っていたおはぎを…。』
 和尚さまの剣を持っている手から、ぎりぎりという音が聞こえます。
それで力がこもって来ている事が判りました。

 あたしだって悲しいです。だって、クーヤ様と一緒に食べるつもりだったおはぎ…。
うぅ…ヒック…えぐっ…ぐしゅっ…うぅぅ…プヒーン!
『ああ、泣くでない、サクヤ。
 …よくも、余とサクヤが楽しみにしていたおはぎを食べたな!
 しかも、あろうことか、サクヤを泣かしたな!! この罪、軽くは無い!!!』
「朕(ちん)は悪くない、何も悪くないにゃもよ!! イヤにゃも…イヤにゃも――っ!!」
「ヒ、ヒイイイイイイッ!!!」
「殺(シャ)ーッ!!」


  惨劇




一休さんられるもの-3-


 その深夜のこと、ぼろぼろになった一休さんは目を覚ましました。
「飾り物の和尚め…おはぎを食べたくらいであんなに怒るなんて…。
 いつか仕返してやる…。
 …ところで、さっき、どさくさにまぎれて弐刀流のヤツがいたような気が…。
 …あまり深く考えないで、便所でも行こう…。」

 とたとたとた…
 がら…

 それから数分後、一休さんは和尚さまの部屋の前を通りがかります。
「ふう〜。すっきりしたぁ〜。…ん? …飾り物の和尚、まだ起きてるのかなぁ〜?」

 ぴちゃぴちゃぴちゃ…
 くちゅくちゅ…

「ん〜?…何の音だろぉ〜? あの飾りものの和尚、何をやっているのかなぁ〜?
 もし、イケナイことだったら、これをネタにしてやるかぁ〜。」
 一休さんは音が気になり、障子に穴を開けて部屋の中を見ます。
見ると、和尚さまは手に持った小さ目の壺の中味を下の中位の大きさの壺に入れながら、
棒でかき混ぜていました。

 ぴちゃぴちゃぴちゃ…
 くちゅくちゅ…

「うむ。なかなか良い感じになってきたな。どれ、味見をしてみるか。
 …!! こ、これは…!!! 素晴らしい味になった…!!!!
 …も、もう少しくらい、味見してみるか…。」

「何だ…水あめを舐めてるのかぁ〜。
 …寝る前にそんなもの食べてたら太るよぉ〜、和尚〜。」

「…しかし、小僧達には見つからないようにしなくてはならんな…。
 …特にあの一休に見つかったら大変なことになってしまう…。」

 がらっ

「何が大変なコトなんですかぁ〜、和尚さまぁ〜?」
「! …い、一休!? …何故ここに…。」
「和尚さまぁ〜。独り占めはよくないですよぉ〜。
 …みんなには黙っててあげるから、僕にも水あめ食べさせてくれないかぁ〜?」
「『水あめ』? …何のことだ?」
「和尚さまが背中に隠しているソレだよぉ〜。とぼけても無駄だよぉ〜。」
「こ、これか…? こ、これは…そう、薬なのだ。のどの痛みが酷くてな…。」
「へぇ〜。…僕も貰っていいかい? 和尚さまにお仕置きされて痛むんでねぇ〜。」
「だ、駄目だ! これは子供には強過ぎて毒になるのだ!!
 ヘタすると死んでしまうのだ。それより、もう寝るがよい。明日も早いのだからな。」
「え〜〜。そんなぁ〜〜〜。」
「ほら、はやく部屋に帰れ。…明日も寝坊したら、勘弁せぬからな。」
「ちぇ…(ヘタな嘘だねぇ〜。…まあいいさ。また機会があるだろう)。」




一休さんられるもの-4-


 それから数日後のことです。

 ご〜ん(鐘の音)

「…では、法事に行って来る。くれぐれも留守を頼むぞ。
 …特に一休、また余計なことをするでないぞ。」
「そんなに信用おけないのかい、僕は?」
「無論であろ! …それから、余の部屋にある人形は大切な物だからな。
 絶対に触らない事! …何かあったらただではすまさぬぞ。」
「御仏に仕える者とは思えない台詞だねぇ〜。」
「余とて言いたくはない! 余がいない間、掃除でもしているがよい。
 秀念、後は頼んだ。秀念がみんなをまとめるのだぞ。…ではな。」
「はい、お任せ下さい。お気をつけて、和尚さま。」
 兄弟子である秀念さんは、胸に拳を当てて和尚さまを見送ります。
「行ってらっしゃ〜い。」
 去勢されたニューハーフである小坊主1(哲梅)が手を振って見送ります。
「ふん…。行って来い、糞蟲が。」
 どう見てもヤクザな小坊主2(哲斉)が目上への言葉とは思えない言葉で見送ります。
「クカカカカカ!行って来るが良い。」
 やけに老けている小坊主3(陳念)が笑いながら見送ります。
「へへッ。これで夕方までは自由だぜ。」
 チンピラな小坊主4(黙念)が生き生きとした顔をします。
「もう戻って来なくてもいいよぉ〜〜! …クキキキキ…。今のうちに…。」
 一休さんは見送りとは思えない言葉で見送った後、
すぐに和尚さまの部屋に行こうとしました。
ですが、兄弟子である秀念さんが一休さんを止めます。
「だめだぞ、一休。掃除をするぞ。」
「いいじゃないかぁ〜。そんなのはどうでもぉ〜。」
「ここで…約束を破るということは…自分を侮辱するということ。
 自分の名はヒエン。
 かのゲンジマルの血を引く武人(もののふ)として、遊んではいられない。」
「今はヒエンじゃなくて兄弟子の秀念だろう〜?
 おまけに、武人じゃなくて坊主じゃないかぁ〜。」
「そんなことは些細な問題だ。ほら、行くぞ。」
「…分かったよ…。掃除すればいいんだろぉ〜?」
 こうして、みんなでお掃除をすることになりました。




一休さんられるもの-5-


 しばらくして、とある人物が一休さんを訪ねて来ました。
「一休さーん。」
 それはあごが割れて、もみあげが凄い、と言うか、ひげと繋がっている、
寺社奉行の蜷川新右衛門親当(にながわしんえもんちかまさ)、
通称、新右衛門さんでした。

 …それより、おじいちゃん。何で外観和尚さまじゃないんですか?
「それは、アニメ『一休さん』での新右衛門さんを語るには、
 立派なあごと、凄いもみあげが必要不可欠だからだ。」
 まあ、足利家最強の剣の達人(武力99!)に描かれてますしね。

「おやぁ〜? これはこれは、新右衛門さんじゃないかぁ〜。どうしたのかなぁ〜?」
「うむ。外観和尚さまから直々に、某に様子を見に行って欲しいと言われたのでな。
 それで様子を見に来たのだ。」
「それはご苦労なことだねぇ〜。」
 そんなことを掃除の手を休めていた一休さんと新右衛門さんが話していた時です。

 どしん!
 …どかどかどかどか…

「む、何事?」
「…和尚の部屋みたいだねぇ〜。行ってみるとするか。」

 和尚さまの部屋に行くと、
めちゃくちゃになった部屋の様子と、黙念が青くなっているのが見えました。
「何事だ? この部屋で、何が…。ヌワンギ、ではない、黙念。どうしたのだ?」
 新右衛門さんが尋ねると、黙念が答えます。
「オ、オレ様は、た、ただ、掃除してただけなんだ。」
「…それで…どうしてこんなに部屋が散らかっているのだ?」
「た、棚を拭いてたら…、た、倒れちまったンだよ…。」
「あ〜あ〜。これは片付け大変だねぇ〜…ん?
 おやぁ〜。黙念、その人形はどうしたんだい〜?」
 一休さんが指摘した人形は、角のついた白い仮面を着けた人物を可愛くアレンジした人形、
すなわち、室町幕府の3代将軍・足利義満の人形だったものです。
過去形なのは、現在、表面が破れて中味が出、見るも無残な姿になっているからです。

 ちなみに、外観和尚さまこと、クーヤ様とあたしが協力して作りました。
オプションで『尻尾パタパタエルルゥ』をつけています。

「こ、壊れちまったンだよ! た、棚が倒れてきたのはオレ様のせいじゃねェ!!
 い、一休! ど、どうすればイイんだ?」




一休さんられるもの-6-


「う〜〜ん…こうなったら仕方がないねぇ〜。」
 一休さんピンチです!
部屋は滅茶苦茶、和尚さまの想い人の人形(お手製)は壊れてしまいます。
追い詰められた一休さん!
和尚さま帰還まで、あと数刻しかありません。
ですが、一休さんは慌てません。こんな時こそ『あれ』があります!
そう…、『屁理屈』です!!

 ぽくぽくぽくぽく……ち〜ん!(ひらめいた!)

「…黙念…新右衛門さん…覚悟を決めるんだよぉ〜!」
「な、何をだよ?」
「某は関係無いが。」
「ここまでした以上、和尚が無事で済ますとは思えないからねぇ〜。
 殺されるぐらいなら、いっそ…。」
「じ、自殺なんて、オレ様は嫌だぜ!」
「だから、某は関係無いが。」
「そんな馬鹿な事はしないよぉ〜。
 …昔の人はいいことを言ったもんだねぇ〜。『毒食らわば皿まで!』
 人間開き直りが大切だよ、ねぇ〜?2人ともぉ〜。」
「ど、どうすンだよ。」
「某は関係無いが…。」
「まあ見てなよぉ〜。」
 そう言うと、一休さんはいきなり外に飛び出しました。
しばらくして戻って来た時、一休は爪のついた赤いアヴ・カムゥに乗っていました。
「そ、それでどうすンだよ!」
『こうするのさぁ〜!』

 ドカァ バキ びりっ

「わあ!お、お前、何すンだ、一休!?」
「一休さん、一体、何をするのだ?」
『和尚の部屋を壊すんだよぉ!』
 黙念と新右衛門さんが唖然としているのを尻目に、
いきなり一休さんは和尚さまの部屋を壊し始めます。
そのあまりにも大きな音に、他の小僧たちも集まって来ました。
「な、これは何事だ!」
「あら? どうしたの?」
「ぬぅ? 何事だ、糞蟲共!」
「クククク――狩猟部族の血が騒ぐ!」

 ばりっ ガチャン

『ハハハハハッ! すっとした!!』
 和尚さまの部屋を壊し、
将軍さま人形は見る影も無い程にぼろぼろにした一休さんは、
赤いアヴ・カムゥから降ります。
その顔は、とても清々しい表情でした。
そう、例えて言うなら、一仕事終わった後の仕事人の顔、という感じです。




一休さんられるもの-7-


「一休…どういうことか説明してもらおうか…。」
 兄弟子の秀念さんが一休さんに詰め寄ります。
「まあ、見てなよぉ〜。」
 一休さんは壊した和尚さまの部屋に入り、唯一壊していなかった押入れを開け、
そこから中位の大きさの壺を取り出しました。その壺は和尚が隠し持っていた『薬』でした。
「クキキキキ…済んだ事は仕方が無いよぉ〜。それよりも水あめを食べようじゃないかぁ〜。」
 一休さんが壺の蓋を開けると、甘い香りが漂い始めました。
「一休、誤魔化さずに説明を……! こ、これは…何と芳醇な香り…。」
 詰め寄っていた兄弟子の秀念さんでさえ、
怒りを忘れてしまうような素晴らしい香りでした。

 って、お兄ちゃん、しっかり、しっかり…、うぅ…あたしの声が聞こえてないですぅ…。

 しかも、秀念さんだけでなく、
この場に集まっていたみんなも魅了されるほどの香りでした。
「あら…何て美味しそうなの…。」
「この俺様に食べて欲しいのか…。ふん、可愛いものよ…。」
「一休、礼を言うぞ。このような、又とない獲物を与えてくれたことにな。」
 花に誘われる虫のように壺に引き寄せられる小僧たち。
一休さんは、いまだ迷っている黙念と新右衛門さんに言います。
「さあ、2人とも、一緒に食べようじゃないかぁ〜。なあに…これも作戦のうちだよぉ〜。」
「そうなのか…なら、オレ様も食べるぜェ!」
「新右衛門さんも、どうだい? 食べないのかい〜?」
「我が決意に変わりはありませぬ…。」

 流石おじいちゃん! 心の強さは一番です!!

「ちなみに、これは和尚さまが隠していたものなんだよぉ〜。
 御仏に仕える者が隠し事をしてもいいのかなぁ〜?
 その隠し事をしていた物を、自分で確かめるべきじゃないのかい〜?」
「…誠の忠義とは、君主の道を正すことにありますれば。
 一休さん…。これが某の…いえ、某等の覚悟に御座いまする。」

 あぅ…お、おじいちゃんまで…。

 こうして、全員、壺の中味を食べることになったのでした。

 …それにしても、お兄ちゃん、おじいちゃん、意志が弱過ぎますよぅ〜。

 数刻後。

「馳走になった。」
「全部食べちゃったわ。」
「量が足りねえな。」
「カカカッ。やはりこの目に狂いはなかった。」
「旨かったなぁ〜(これで全員共犯者だねぇ〜)。」
「なかなかのお手前。」
「でも、ホントに大丈夫なのか?」
「安心していいよぉ〜。あとは和尚が戻ってくるのを待つだけだからねぇ〜。
 クキキキキキッ!」




一休さんられるもの-8-


 そして、夕刻。

 がらがら…

「今、戻ったぞ。…………。……む? 今、帰ったぞ!」

 し――――ん…………

「? 何かあったのだろうか?」
 和尚さまは、返事が無いことを不思議に思い、小僧たちを探すことにしました。
まず、荷物を置いてから探そうと思い、自分の部屋に行くと、
部屋の前の廊下に小僧たちが座っていました。
「? どうしたのだ、お前達。」
「あ、お帰りなさいませ、和尚さま。」
「あら、お帰りなさい、外観和尚さま。」
「ふん、帰ったか、糞蟲め。」
「クッカッカッカッカ。よく戻ったな。」
「お帰り、和尚。」
「お邪魔しております、外観和尚さま」
「おお、新右衛門。見張り、ご苦労だったな。
 これは、みやげの葬式まんじゅうだ。皆で分けるが良い。……ん?
 そういえば、皆、こんなところに座ってどうしたのだ?」
 和尚さまの問いに、一休さんが答えました。
「和尚さまぁ…責任を取るために、僕たち、和尚の部屋にあった毒を飲んだんだよぉ〜。
 なのに、死ねなかったんだよねぇ〜。」
「? …一体、何があったのだ!?」
 そう尋ねる和尚さまに、一休さんは見る影も無い程ぼろぼろになった将軍さま人形と、
空になった壺を差し出して言います。
「実は、和尚の部屋にあった人形を不注意で壊してしまって…。
 責任をとるつもりで、僕たち毒を全部飲んだのに…なのに死ねないんだよぉ〜。」
「…………全部…食べたのか…。」
「そうなんだよぉ〜。
 どうか、僕たちに、いや、悪いのは僕だから、
 せめて僕だけに罰を与えて欲しいんだよぉ〜。」
 そう一休さんが言った瞬間、その脳天に容赦の無い一撃が振り下ろされました。

 ばあああこおおおんん!!!!

「ぐぎゃあああああ!!…和尚、な、何をするんだよぉぉぉぉ!!」
『そうか…一休、お前が悪いのだな…。』
 一休さんが見上げてみると、
そこには何時の間にか白いアヴ・カムゥに乗っていた和尚さまの姿がありました。
『……さあ、どういうことか、きちんと説明してもらおうか、一休。』
「ひ、ひいいい!! …ぼ、僕だけじゃないんです。全員共犯なんだよぉ!」
 そう言って一休さんが後ろを見てみると、
そこにいるのは何時の間にか新右衛門さんだけになっていました。
他のみんなは真っ先に逃げたようです。




一休さんられるもの-9-


 和尚さまは、そこに唯一残っていた新右衛門さんに尋ねます。
『新右衛門。一休の言っていることは本当か?』
「お言葉ですが、外観和尚さま。
 一休さんの言っていることは、真っ赤な嘘で御座いまする。
 全ては一休さんの単独行動によるもので御座いまする。」
「し、新右衛門さん!そんなのってないだろぉ!!水あめ一緒に食べたじゃないかぁ!?」
 ふるふる
「某には何のことだか解りませぬ。」
「ひ、ひどい!」
『よくも、余のハクオロ人形をここまでズタボロにしてくれたな。
 それから、先程から水あめと言っている物だが、
 それは、ハクオロの娘である、アルルゥ姫への贈り物だったのだぞ。』
「…………え?」
『知っての通り、アルルゥ姫は大のハチミツ好きでな。
 ハクオロが自ら集めた自國の最高級のハチミツを余のところへ持って来て、
 こちらの國の最高級のハチミツと混ぜ合わせて、アルルゥ姫に贈ろうと言って来たのだ。』
「え、え……?」
『だが、ただ単純に混ぜるだけでは美味いハチミツにはならぬ。
 それで、余は度重なる配合の実験の結果、最高の混合比を発見したのだ。
 それは正にこの世の芸術、
 ハクオロと余の國が1つになって始めて出来る究極とも言えるハチミツだったのだ。
 それを、それを、お前は……!!!!』
「そ、それだったら、また作れば…。」
『もう材料はない。おまけに、ハチミツを贈る日は、明日だ。
 しかも、もうすでにアルルゥ姫には贈り物のことは知らせている。
 アルルゥ姫は、相当楽しみにしていたそうだ。
 …死にたくなければ、ハクオロとアルルゥ姫の前で、死ぬ気で謝るのだな…。』
「そ、それは、もう!!」
『…それはそれとして、余のハクオロ人形をズタボロにした報いは受けてもらうぞ…。』
「ヒ、ヒイイイイイ!!」
「俺のやられ役の出番を奪った報いもなッ!! おぉぉぉぉぉッ!!」


 惨劇2



 哀れ、一休さん。
ですが、さすがの御仏もお見捨てになったのも当然です。
今は一命があっただけでも、よしとしなければなりません。

なお、惨劇の前にいつも現れる若様のことはお気になさらないで下さい。

と、いうわけで今日はここまで。
続きは次回の講釈で〜。


♪おれは自由に〜生きるそんご〜くうだよ 気楽なもんだよ〜…♪













あとがきの類似品

夢幻夢想こと、むぅちんとげんちゃんです。
(幻夢です。)
前書きの予告の通り、20回目に続きます。
(20回目を皆さんが待っていてくれるかどうかは知らないがな…。)

では、この辺で。夢幻夢想こと、むぅちんとげんちゃんでした。
(この辺で。幻夢でした。)






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